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水素水ビジネス



友人が水素水(水素が微量溶け込んだ水)に興味をもっていたので、調べてみたらびっくりのトンデモビジネスだった。本来、人体では腸内細菌により大量の水素が発生し、そのほとんどが血流に入り体中をめぐって肺や皮膚から放出されている、らしい。その量は個人差があるが毎日数百~1万mL(10L)以上にも達する
 おならにも多少は含まれるけど、大部分は吸収され血流に入るのだ

そこに水素水で水素を追加補給して健康になろうという趣旨みたいだが、水素水なんて水素の量があまりにも微量で少々飲んでも大勢に影響しないのは当然の事。例えば水素水の水素濃度は飽和濃度から考えて1.6ppmが限度だろう。すると水素水1000mLに含まれる水素は
水素質量=1000g×1.6/10^6=0.0016g  
これの体積はV=0.0016g×22400mL/mol÷2g/mol =17.9mL
つまり毎日1000mLもの最高状態の水素水を飲んだとしても身体に供給される水素は最大18mLでしかない   実際は1ppm以下だろう。すると1000mLで10mL程度だ

これは体内で発生し、供給されている水素に対して1/100程度だ。さらに毎日1000mLもの水素水を飲む人は少ないだろうから、実際には5mL以下の水素補給がせいぜいではないか?こんなもの、ほぼゼロに近い量だ。良い影響も悪い影響も出るはずが無い。こんなもので水素を補給するくらいなら食物繊維やオリゴ糖などを摂取して腸内細菌に水素を増産してもらう方がずっと賢い  納豆などの多繊維食品を食おう。毎日数千mLの増産も可能だ  水素水で果が出たと言う人がいたとすれば、それはプラセボ効果に間違いない。または大嘘だ  ほとんど嘘か思い込みだろーね。効果があると主張するのなら 信頼できる第三者機関で二重盲検法 でチェックしてからにしてほしいにゃー   わざわざそんな手間をかける価値すら無いだろー。 普通に考えればいいにゃん!あーばかばかしー  ワイワイ ガヤガヤ あーだこーだ

繊維やオリゴ糖などの難消化性糖質は10gで約500mLの水素が発生するらしい。これは大した量ではないが体内発生水素に約50%加算され1.5倍になるので、この程度補給すれば多少は健康効果があるかもしれない?という量だ。

しかしこれを水素水で供給するには毎日約30L~50L飲まなくてはならない。糖質10gの追加摂取は容易だが水素水を毎日そんなに飲んでたら確実に死ぬ   死ぬということは不健康の極みだ。つまり水素水は不健康だ  そんな論法は水素水業者と同レベルだぞ       

つまり水素水で身体の自然の水素循環状態を変化させるほどの水素補給は無理ということだ。医療用でも水素は使われている様だが、これは空気に2%とかの量をまぜる様だ。なんと空気1立方mに20L(20000mL)もの量になる。この程度の量は供給しないと自然の状態の体内水素環境を大きく上回る水素環境にはならず、ならなければ治療効果なんてありえない。だからこの程度の量は必要なのだ
 自然の体内水素状態を大きく上回る水素環境はある種の病気治療には有効かもしれないが、副作用も考えられる。自然の状態を大きく逸脱するのはリスクがあることを認識しよう  空気に4%以上の水素が混じると爆発の危険がある。高濃度水素の扱いには十分な知識が必要なのだ

水素水ビジネスについては国立研究所も効果は無いという結論をだし、ネット上にリポートしている

ここでは効果が認められるデータが無かったこと、体内発生水素も考慮しなくてはならないとの言及がある。しかしこの研究所のリポートは言い方が優しい。「現時点では有効性を確認できるデータが見当たらない」なんていう書き方をするから業界の宣伝マンは「まだ何もわからないということだ」などと都合よく解釈する

このリポートを見れば分かるが、この研究所はかなり詳しく調査している。その上で現時点で有効性データが無ければ「有効性を示すデータが無く、また体内発生水素に比べて無視できる量なので常識的にも効果はありえない」とでも表記し、早く販売停止,製品回収,損害賠償にもっていく位の事はしてほしい  この飼い主はこの手のインチキ商売が大嫌いなのだ。水素水ビジネス全国被害者の会を早く立ち上げよう!悪徳業者から賠償金をとって被害者を救おう  掛け声だけ~

体内発生水素の量などに関しては下記の辻クリニックさんのブログも信頼できると思う。何しろ水素利用を推進している側の人たちからの情報だから - - -
 でもなんとか外部からの水素補給効果を正当化したいから、水素の性質がちがうのかも、などと馬鹿な事を言いかけてるよ。水素分子に個性なんて無いのは科学的常識だが、それでもごり押ししなくてはならない彼らの苦悩が分かるような気がする

これらの情報であわてて反論していると見える業界お抱え学者?らしき人がいた。このうろたえよう、支離滅裂な反論内容は結構面白い。たぶん業界から「なんとかしろ、でないと- - - - 」と脅されているのかな? 刺客をおくるぞーとかね
 しかしここまで自分の品位を下げてまでやるか~? 本業の信頼性まで無くすだろー  生活と命がかかってるからねー

水素水ビジネスでも強く感じるのが有名企業や有名人がこの種のインチキビジネスに加担する悪しき事例。有名企業や有名人はその影響力をよく認識して社会的責任を感じて行動すべきとおもう  そうも行かないのが世間の常だっちゃ

例えばパナソニック社が水素水生成器と称して商品を売り出す。パナソニック社は賢いから法律に触れる様な表現は一切しない。しかし末端の販売業者は「これで糖尿病が治ります」「ガンに効果があります」などと嘘をついて販売する。もちろん違法行為だが、口頭ならば証拠が残らないので彼らは平気だ   さらに決め手は「藤原のりかさんも勧めてますよー」と有名人の名前も出す  隠しビデオ撮影で自己防衛するべきだ

糖尿病やガンでわらをもつかみたい人はそれにだまされて20万円,30万円の装置を買う。かならずしもお金に余裕のある人とは限らない。年金生活で治療費に苦しみながらも愛する家族を思って3年ローンとかで必死の思いで買う人もいるのだ。有名人も注意が必要と思う。藤原のりかさんの影響もかなり大きいと思える。有名人の場合「個人の感想です」では済まないのだ

 最近のパナソニック社は少し嫌いだ。 松下電器が懐かしい  幸之助さんの信者なのだ
 ユニットバスの件もあるしねー    ユニットバスの情報



むかしむかし、地球には酸素なんて無かった。そんな環境で原始の生物は生まれた。そこに植物性プランクトンというとんでもない生物が現れた。そいつは原始生物にとって猛毒ガスの酸素を量産した。次第に地球の大気は酸素濃度が高くなり、多くの原始生命は死滅した。しかしその酸素を利用して巧みに生きる生物(動物)が誕生した。彼らは酸素の毒性に耐える体を作り、そのにっくき植物を食って、それを酸素と結合させてエネルギーにして増殖していった。しかし通常の酸素には耐えるものの体内でどうしても発生してしまう活性酸素には身体を破壊された。これに対向するために活性酸素と結びついて無害化する抗酸化物質を体内に分布させる様になった。この抗酸化物質としては人の場合、自身で作る尿酸があるが、それ以外にも植物が作った抗酸化物質であるビタミンCやEやA,ポリフェノールなども利用した。体内発生水素もこれら抗酸化物質の1つとして利用してきたのだろう。抗酸化物質の主役は人の場合は尿酸だが、水素もその他大勢の内の一つとして活性酸素除去に貢献してきたのだろう。しかし活性酸素の害を除けば老化しないというものでもない。 老化のメカニズムは複雑で、根底には老化はプログラミングされているという問題がありそうだ

私の属していた業界(ランプ製造)では結構水素を吸う。工場内では水素雰囲気を作り、その中でタングステンを高温熱処理する工程などがあった。この装置などは1台で毎日5000Lもの水素を空気中に放出していた。だからランプメーカーの製造部門の人はかなり濃い水素大気環境にいたことになる。しかしだからといってランプ製造業界の人が特に健康で長生きという印象は無い。むしろ短い?

水素は酸素との反応性は弱い。水素と酸素をまぜておき、火を着ければ一気に反応して爆発するが、何もしないといつまでもほとんど反応しない。つまり結合エネルギーは大きいが反応障壁が高くて、簡単には結合しない

活性酸素の害は細胞内で発生するとそれにより細胞内のDNAが損傷する影響が主だろう。発生した活性酸素はすぐに無害化しないとDNA損傷は防げないから、細胞内には多くの抗酸化物質を待機させておかなくてはならない。だから水素で活性酸素の害を除こうとするのなら水素分子は1つの細胞内にたくさん存在していないと多くの効果は期待できないだろう。次ではどの程度の量が必要かを試算してみる。

人体の細胞数  約37兆個 (3.7×10^13個)
細胞の質量    平均的に8×10^-9 g 
DNA質量     約3×10^-12 g
細胞内のDNA質量の割合 3×10-12/(8×10^-9)=3.8×10-4

※細胞を構成する平均分子量を20~30と仮定すれば、
細胞の分子数 :(8×10^-9)/30×6.02×10^23≒1.61×10^14 個 →約10^15個
 例えば10^23とは1の後に0が23個という意味→10^23=100000000000000000000000 個。10^-12とは分母側に0が12個付いた数 1/1000000000000 
つまり1つの細胞内に約10^15個の分子がある。ここに活性酸素というテロリストが発生するわけだが、何人に1人の割合でガードマンや警官,軍人に相当する抗酸化物質を配置するかだ。1人に1人が理想だろうが、それでは細胞内の分子は身動きできないし費用も大変だから、せいぜい1000人に1人の割合で配置するくらいがやっとだろう。すると1つの細胞にはざっと10^12個の抗酸化物質を配置しなくてはならない。
すると全身では10^12×37×10^12=3.7×10^25個
これの水素体積は10^25/(6.02×10^23)×22.4≒370 L
つまり少なくとも370L程度の水素が常に身体中に分布しているくらいでないと効果がありそうにない。水素が身体に留まる時間がいくらかだが、たぶんせいぜい1時間程度だろう。すると常に前記水素を体内にとどめるには毎日8900L必要になる。これは一般的なボンベ1本分に近い

従っていくら体内で毎日10L発生させたとしても、とても十分とは思えない。つまり抗酸化物質は水素だけでは量的に不十分であり、わずかな役目しかできず、他の抗酸化物質と協力して活性酸素から身体を守るしか無いだろう。またいくら各種の抗酸化物質で活性酸素に対向するとしても、完全に害を防げるわけではないだろう。いくら警官や軍人をたくさん配置してもテロリストを完全に防ぐことは無理なのと同様だ。それに警官や軍人は増やしすぎると経済性以外の害(副作用)も目立ってくる

ここまでくると水素水というのが、いかに全く無意味かがわかる。水素水を1L飲んでも供給される水素はたった0.01L、つまり必要量の100万分の一程度だ

 100万分の一でも効果はあるのだ。 100万円の借金で破産しそうな人に1円が役に立つか?という問題だな。ただでくれるのなら、まーいーけど水素水ビジネスはその代償に毎日100円出せと言っている様なもんだ







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